「文化財防火デー」の26日から、函館市内37カ所の施設で消防訓練などが行われ、貴重な建造物への防火意識を高めた。
函館市教委と市消防本部は29日、約62万点の展示物や収蔵資料を持つ市立函館博物館(青柳町17、斉藤総一館長)で消防訓練を実施。同館2階会議室から出火したとの想定で、職員が手分けして消防への通報や来館者誘導などを行い、初動対応を確認した。その後は現場に到着した消防隊が放水を実施した。
函館市北消防署の黒島良樹署長は「文化財は日頃からみんなで守っていくことが大切。迅速な通報と情報連絡を」と呼び掛けた。
防火デーは、1949年1月26日に奈良県の法隆寺金堂(国宝)が炎上し、壁画が焼損したのを教訓に国が55年に制定した。市では毎年防火デーに合わせて、博物館や重要文化財に指定されている建造物などで訓練を実施している。(半澤孝平)