【北斗】地元経済界を中心とした新会社「北斗開発」(北斗、境勝則社長)は27日、3月26日に開業する北海道新幹線の新函館北斗駅前ホテル(仮称)の新築工事地鎮祭を現地で行った。開業から1年後の来年2月に完成、オープンする予定だ。駅に最も近い「第1街区」で、市が誘致に力を入れてきた中核施設の建設がようやく動き出し、式典に臨んだ約50人の顔に安堵(あんど)の表情が広がった。
神事では、くわ入れや玉串奉てんがあり、出席者が工事の安全と事業の成功を祈った。式典後、高谷寿峰市長は「駅前の核になる施設で、今後は他の企業の進出も期待できる」と誘致活動に弾みが付くことを期待した。
境社長は、資本金が3億円に達したことを明らかにし「プロジェクトを応援しようという地元の熱い思いに感謝したい。駅前のランドマークとなる建物で、開業後、集客は一過性ではなく、継続させることが重要」と話した。
総事業費は約23億円。建物は鉄筋コンクリート造地上6階建て。延べ床面積6271平方メートルで、1階に物販や飲食店が入る。「ABアコモ」(東京)が運営する2階以上は107室(収容人数371人)あるホテルや大浴場、レストランを整備する。部屋は最大4人で使える広めのタイプを用意、外国人客の利用も想定。料金は1部屋8000円程度という。市は施設完成後に1階を「市観光交流センター別館(仮称)」として買い取る。
同施設をめぐっては、JR北海道が2014年5月、ホテル建設を断念。地元経済界が中心となって建設計画を立て、資金調達を進め、採算面でもめどが立ったとして進出。ホテル誘致は市の長年の懸案だった。(山崎大和)