更生保護法人函館創生会(小笠原理事長)の更生保護施設「巴寮」(函館市堀川町13)の増築落成記念式典・祝賀会が27日、市内のマリエール函館で行われた。55人が出席し、一層の更生保護活動の充実を誓った。
巴寮は、刑期を終えて出所後に身の寄せどころのない人のために、住まいや職業相談など社会復帰を支援する施設として長年、地域の更生保護活動を支えている。
増築工事は昨年8月に始まり、同12月28日に竣工し、2月に入居開始予定。費用は約5000万円で、更生保護事業振興財団や日本更生保護協会、立川更生保護財団から多額の補助金を受けた。定員は5人増の20人となり、新たに相談室や学習室を設け、既存の集会室を今後も地域に開放するなどし、住民との交流も育む。式典冒頭で「式典に合わせて近所の住民が寮生に食べてもらいたいと赤飯を届けてくれた」と紹介され、大きな拍手が起きた。
小笠原理事長は、1907(明治40)年に同法人が創立されたことに触れ「先人が築いてきた礎の上に、その苦労と遺志を受け継いで運営している。関係機関の多大な協力にも感謝し、今後は増築した施設を活用して不幸にして罪を犯した人たちの中から一人でも多くの人の更生支援に向けて職員一同まい進したい」とあいさつした。
式典では、民間協力者らに感謝状を手渡したほか、小笠原理事長の関係機関への浄財に対する法務大臣感謝状の贈呈も行われた。(田中陽介)