今冬の雪は重い!? 函館は1月、一日に10センチ以上の降雪が5回あり、24日午後5時現在の積雪は平年の約1・5倍に当たる34センチとなっている。さらに、雪は低気圧などの影響で降ったため、湿った重い雪が街を覆い、市民は例年以上に除雪で苦労している。
函館地方気象台によると、昨年11月から1月23日までの函館の降雪量は平年比89%の176センチで、このうち、1月に入ってからは104センチ。10センチ以上降った日は、5日15センチ、6日17センチ、8日14センチ、10日13センチ、18日21センチ。
8日までの3回は道内が冬型の気圧配置となったためだったが、いずれも最高気温は氷点下0・7度~プラス0・6度で冷え込みは厳しくなく、湿度は79~89%。函館の1月の平均湿度は73%で、平年より高い状態だった。10日は低気圧を含む気圧の谷による降雪で、18日は急速に発達した低気圧が接近した影響で暴風雪となり、この日の最高気温は1・7度。いずれも、厳しい寒さで空気が乾燥した中で降るサラサラした雪ではなく、大きく湿っぽい雪が多かった。
函館市シルバー人材センターの会員で、五稜郭町周辺の除雪を担当する北出守さん(66)によると、作業はスコップなどを使う人力で1件につき1時間程度だが、18~19日は2時間半を要した現場もあったという。「湿った雪が重くて多く、運ぶのが大変だった」と話す。西部地区を担当する小林冠(はじめ)さん(66)も同様だったと言い、「雪を捨てる場所もないため積み上げていくしかないが、きつかった」と疲れた表情を浮かべていた。
ホーマックスーパーデポ石川店によると、19日ごろからの除雪用品の売れ行きは、大型のスノーダンプなどが中心に売れたという。軽量で使いやすいものより、重い雪に対して効果がある用品を選んだとみられる。
大沼公園の冬の風物詩、氷上ワカサギ釣りにも影響があった。大沼漁協・太公園コースの川村幸治代表(48)によると、東大島付近の氷の厚さは16日ごろで約15センチだったが、18~19日に約50センチの積雪があり、表面が沈んだ。「東からの風で、湿った重い雪だった」と話す。これを踏み固めないと安全に氷上を歩けないため、営業区域を限定する日もあった。「遊魚の場所は係員の指示に従ってほしい。雪に隠れた湖面は危険なので、立ち入らないで」と呼び掛ける。(山崎純一、半澤孝平)