道は、3月26日に開業する北海道新幹線新函館北斗駅からの二次交通対策で試験運行した、環駒ケ岳エリアでの観光タクシー(昨年9~11月)の利用者アンケートをまとめた。プラン全般で90%に近い非常に高い満足度となり、特に乗務員の対応や観光案内で高い評価を受けていることが分かった。一方で、観光スポットの少なさや所要時間の扱い、昼食場所が少ないという課題も浮かび上がった。
試験運行は9月5日~11月29日に実施。料金1台1万円プラン(所要時間6時間半)は、函館市街発の「縄文の歴史探訪としかべ間歇泉(かんけつせん)のたび」など、全4コースを設定した。利用実績は95台で、260人がアンケートに答えた。
プラン全般の満足度を聞いたところ「とても満足」「やや満足」と答えた人が合わせて88・3%に達した。「やや不満」が2・0%、「非常に不満」と答えた人はいなかった。
項目別では、乗務員の対応は「とても満足」が89・5%、乗務員の観光案内も「とても満足」が81・2%と高い傾向にある。自由回答では「乗務員が親切丁寧で、臨機応変に対応してくれた」との声が上がっており、渡島総合振興局は「函館はさすが全国的な観光地だけあって、乗務員の質が素晴らしい」(新幹線推進室)。
一方、観光箇所を「とても満足」と答えた人は47・4%にとどまり、函館に比べて地方のポイントの少なさが顕在化した。所要時間は短い、長い両方があり「とても満足」は53・6%と伸び悩んだ。昼食は「とても満足」が52・7%。地方は食べる場所が限られており、選択肢が少ないことが課題に挙げられる。
タクシープランの改善点として「立ち寄り箇所」(45・1%)、「PRチラシの説明」(16・3%)、「所要時間」(15・3%)の割合が高くなっている。
運行の事業化にあたって同室は「魅力あるコースを設定すれば、高価であっても利用してもらえるのではないか。高齢者層がターゲットになる」としている。(山崎大和)