函館市元町地区在住の市民有志らでつくるフリーペーパー「ハコダテ サカラ」編集室(北見伸子発行人)は10日、同誌の創刊準備号を発行した。「坂から広がる、つながる、おもしろマガジン」をキャッチコピーに、坂道の多い元町地区から函館を独自の切り口で紹介し、新たな魅力を発信する。編集人を務める作家の藤島斉さん(42)は「函館に来たばかりの人や、観光客の助けになれたら」と話す。
誌名の「サカラ」は、「坂から」情報発信をしていく思いを込めている。ロゴデザインはローマ字の「SAKARA」を、西部地区に所在する教会群や坂道を図案化した。
9年前に函館を訪れて以来、フリーペーパー発行の構想を温めてきたという藤島さんと、元町からの情報発信を模索していた北見さん(43)が2014年春からに近所同士となり、意気投合。さらに昨年、函館市のデザイナー石岡慶次さん(53)と出会ったことで構想が実現に向けて加速したという。11月に初会合を開いてからは「良いペースで完成できた」と藤島さん。
準備号の特集は「フランスパンの謎」。市内の英語講師でフランス人の古地パメラさん(34)らをインタビューし、日本で「フレンチ○○」と呼ばれるものに対するフランスと日本の感覚の違いなどを紹介している。北見さんが経営する「まるたま小屋」など元町周辺は海外のバックパッカーなどが訪れる機会が多く、今後は地図掲載など函館を初めて訪れた人にも分かりやすい誌面づくりで、坂道周辺で目にする光景や発見を紹介していくという。
創刊号は「坂道、元町、ミスマッチ」をテーマに3月20日ごろの発行を目指しており、同26日にまるたまスクエア(元町2)で開催予定の元町FooD祭りで配布を予定している。以降は隔月発行とする。
準備号はAB判(縦21センチ、横25・7センチ)。オールカラー8ページで2000部発行。編集室では、アイデア提供や配布の協力者を募集している。(marutama.square@gmail.com)から申し込む。問い合わせは同編集室(☎0138・76・3749)まで。(半澤孝平)