臥牛山1月5日・マイナンバー
机の奥に1月1日に運用を開始した12桁のマイナンバーの通知カードが入っている。国から通知された12桁の番号は、すんなりと覚えられない。身分証明くらいにしか使えないと思っている人もいるのでは▼市の回覧では「社会保障、税、災害対策の分野で複数の行政機関が利用し、事務の効率化や利便性を向上させることが目的」。金融資産が一括管理となり、健康保険証代わり、コンビニでも利用できるようだ▼通知カードが「受取人不在」などの理由で郵便局から市町村へ届く数が思いのほか多い。住民票を移さず転居した人、医療機関や特養老人ホームなどに入居の高齢者や障害者ら。函館でも予想の5倍が受取人不在だ▼「不正利用により被害に遭う」「プライバシーが侵害される」「監視・監督される」など不安が募るばかり。児童手当や失業手当、生活保護の受給に番号を提示しなければならず、受け取っていない人は不利益を被る▼最大の狙いは脱税や年金不正受給の防止にあるというが、共通番号制が進む米国では年金不正受給などが多発。日本でも通知カードより先に、制度悪用の詐欺が発生した。国は無用な混乱を避けるためにもっと丁寧な説明が必要。新年から後味が悪い。(M)