臥牛山12月30日・世界津波の日
津波の恐ろしさは今さら語るまでもない。過去の災害事例が教えているが、万国共通の認識にしなければ…国連が22日、日本などの提案を受け「11月5日」を「世界津波の日」にすることを全会一致で採択した▼津波と言えば、2011年3月11日に発生した東日本大震災が、昨日のことのようによみがえってくる。地震直後に発生した大津波は、またたく間に市街地を飲み込み、2万4000人余(死者・行方不明者)の命を奪った▼その復旧、復興は5年を迎えようとしている今なお、重くのしかかる。さらに思い出されるのは55年前に死者・行方不明者142人を出したチリ地震津波。東北地方に押し寄せたのは、発生から22時間後だった▼海外に目を向けると、11年前のスマトラ島沖地震を抜きに語れない。死者は22万人余。地震も恐ろしいが、津波はさらなる恐怖…早期警報などの対策、日常的な啓蒙活動こそ大事であり、日本が国連に決議提案した理由もそこにある▼ちなみに「11月5日」だが…安政南海地震(1854年)の際、津波の到来を察知した村人が稲わらに火をつけ、多くの人を高台に避難させたという故事に由来する。この日は、わが国では「津波防災の日」でもある。(A)