臥牛山12月29日・トンネル内落下事故
トンネルの天井からモルタル片が落ちてきた。それも幅5メートル、長さ20メートルほどにわたって…重さにして23トン。そんな構造物の落下事故が、またまた起きてしまった。千葉県君津市の国道410号線の松丘隧道で▼当時、通行車両がなかったから良かったが、少しでもタイミングがずれていれば…人身にかかわる惨事を招いたのは想像に難くない。橋もそうだが、トンネルは例え危険を察知したとしても逃げ場所がない。だから怖い▼3年前に中央自動車道の笹子トンネルで起きた天井版崩落事故が、よみがえってくる。落下版の下敷きになって走行中の9人が死亡した。さらに遡ると、1996年2月に起きた北海道の豊浜トンネンルの上部岩石崩落事故も忘れられない▼路線バスと乗用車が巻き込まれ、懸命の救出作業もままならず20人が犠牲に。最近は高速道路や鉄道高架からのコンクリートやモルタル片の落下という事故が多い。こうした事故の際に、必ずと言っていいほど過失、管理責任が争われる▼予見できたかどうか。理由はどうあれ、起こしてはならないという一線は崩れない。さまざまな要因で点検が難しい面もあるにしても。安全管理の徹底は絶対条件…人命にかかわることだ。(A)