臥牛山12月28日・JR北海道でまたトンネル事故
「またか」という言葉がまず口をついた。旭川市のJR函館線トンネル内で27日、火災事故が発生。幸い早朝だったため、利用者を乗せた列車が巻き込まれることはなかったが、多くの帰省客が長時間にわたり足止めを食うことになった▼JR北海道管内のトンネル事故といえば、2011年5月の石勝線での出来事が生々しく記憶に残っている。脱線のためトンネル内部で緊急停止した車両が炎上し、乗客乗員約250名が徒歩で命からがら脱出。死者や重傷者こそ出なかったものの、一歩間違えば大惨事につながった可能性も▼そして今年の4月には、青函トンネル内で列車から煙が発生。消火器によってすぐに鎮圧されたが、1988年の青函トンネル開通以来はじめて、乗客が地上に避難する事態となった▼来年3月に道新幹線開通を控えた中での青函トンネル内のトラブルは、JR北海道には大きな衝撃で、緊急避難訓練を行うなど、安全体制の再構築に躍起になっていた。その矢先に発生した今回の事故には開いた口がふさがらない▼航空機と比較し、絶対的な安全性を売りにしてきた新幹線。その大前提を北海道新幹線が揺るがすことだけにはならないよう、切に願いたい。(U)