臥牛山12月17日・今年の漢字
安全、安泰、安眠、平安…。世相を一字で表現する今年の漢字に「安」が選ばれた。清水の舞台で貫主が力強く揮毫(きごう)する大書は歳末の風物詩。なぜか、温暖化で不安が募る雰囲気だった▼安倍政権のもとで国民が違憲の疑いを抱く安全保障関連法が成立。高校生までが「戦争反対」とデモ行進。マンションのくい打ちデータ流用やワクチン問題など、暮らしの安全に関わる不正まで発覚▼世界ではテロの脅威が広がるばかり。過激派組織「イスラム国」によるパリ同時多発テロは世界中を不安に陥れた。2位の「爆」は爆買い、空爆、自爆テロなど。3位の「戦」は戦後70年の節目からか▼一方、気象予報士100人に「今年の天気を表す漢字」を聞いたところ、「変」という回答が最も多かった。2位は「雨」、3位は「暖」で、天候異変の1年だった。高松市の公園では早くも梅の開花が確認され、歳末に梅の便りはやはり変な風景▼政府は消費税率10%への引き上げに伴って導入する軽減税率を「出前・持ち帰りは8%にする」ことを固めた。外食にならないのはどんな時かなど、分かりづらい。業界も消費者も不安だらけ。心穏やかに、安心・安全・平安な新年を迎えたい。(M)