強い寒気の影響で、5日の道南地方は各地でまとまった雪が降った。市民が雪かきに追われる一方で、これまで動きが鈍かった冬物商戦に、ようやくエンジンがかかっている。
函館地方気象台によると、同日午後5時現在の最低気温は森で氷点下2・1度、北斗同1・7度、函館同1・4度。積雪は八雲と福島千軒で13センチ、函館11センチ、厚沢部鶉8センチ。
一夜で銀世界となった函館市内では、早朝から雪かきに汗を流す市民の姿が目立った。時任町郵便局前の駐車場一帯を雪かきした男性(31)は「湿った雪で重くて大変だけど、きれいにしなければ」と話していた。
市内のホームセンターなどでは除雪商戦がヒートアップ。ジャンボイエロー亀田店(亀田町)では雪かき用のスコップを買い求める客が目立ち、「昨日までは全然売れなかったが、きょうは種類問わず100本ほど売れた。雪が降ると物は動く」と今後の冬物商戦にも期待する。
カー用品店やガソリンスタンドでは、冬用タイヤへの交換を依頼するドライバーが駆け込んだ。イエローハット函館新道店(石川町)では「来店客は1~2時間待ちの状況が続いた」とし、スタッフは終始交換作業に追われた。
道警函館方面本部と函館市消防本部によると、5日午後6時現在で雪による重傷事故は起きていない。
6日も引き続き冬型の気圧配置となる見込みで、積雪は多いところで10~20センチの予報。同気象台は吹雪や吹きだまりによる交通障害などに注意を呼び掛けている。
(鈴木 潤、田中陽介)