もし自分がうつ病と診断されたらどうしよう。ぜんそく、肺炎、卵管炎など〝病気のデパート〟と自称しているアラフォー女性が疲れ切って仕事をやめ、うつ病になって自殺した▼厚生労働省の調査によると、労働者の5~6割が仕事に不安や悩みを抱えながら働いており、勤務上の問題を原因に自殺する人は年間2000人を超えている。健康問題で自殺する人の約4割がうつ病が原因ともいわれる▼うつ病の未然防止を目的に、50人以上が働く会社に対し、全従業員のストレスチェックを義務付ける改正労働安全衛生法が今月施行された。体の健康だけでなく「心の健康診断」も年に1度実施▼対象は正規社員のほか、非正規や派遣社員も含まれ、労働者が質問票に答え、医師や保健師らが「高ストレス」の人を診断。結果は直接本人に通知され、事業者は作業場所変更や勤務時間短縮などの措置をとることになる▼ストレス、うつ病、自殺…。誰しも仕事のノルマ、長時間労働、人間関係などストレスを抱えており、過労やパワハラによる精神疾患も見逃せない。「心の健康」チェックが自分のストレスに気付き、上司や仲間らの理解を深める環境づくりに役立つことを期待したい。(M)