【森】町固有のサクラの品種「モリコマチ(森小町)」の里帰り植樹式が25日、青葉ケ丘公園で行われた梶谷恵造町長をはじめ、野村洋議長らが出席し、8年振りとなるモリコマチの帰郷を喜ぶとともに、2度と枯らすことのないように決意を新たにした
モリコマチは元農業改良普及員の故田中淳さんが1978年、町固有種のサクラ「ホリイヒザクラ(堀井緋桜」とソメイヨシノを交配させたことにより誕生花びら1枚1枚の色の濃さが異なるのが特徴だ
同公園で1本だけ生育していたモリコマチだったが、昨年6月に枯死と診断され、絶滅したと思われていた
ところが、枯損の可能性を見据えた日本花の会所属の森町民が、2007年にモリコマチの枝を茨城県結城市の日本花の会「結城農場・桜見本園」に送付し、同場で植栽されていることが判明これを受け、梶谷町長が現地へ赴き確認したうえで、譲り受けの交渉をしたところ、農場側もこれを快諾現在同場で植栽されている苗木2本のうち、1本を町が譲り受けることが決まった
植樹式には田中さんの妻ミヨさん(90)も出席梶谷町長や野村議長、田中さんらがスコップを手に健やかな成長を願いながら、丁寧に土をかけると、公園に再びモリコマチの姿が復活した梶谷町長は「紆余曲折(うよ)を経たが、モリコマチが里帰りしたことは大変うれしい森町の宝物として大事にし、命をつないでいきたい」と述べ、田中さんは「来年の春が今からとても楽しみ美しい花を咲かせることを心まちにしています」と話していた
移植を担当した苫小牧市の樹木医、金田正弘さん(68)によると、帰郷したモリコマチは樹高約5メートル、幹周りは約21センチ金田さんは「これから冬を迎え、来年の4月以降に花が咲くかどうかはまだわからないしっかりとサクラの様子を静観していきたい」と話していた(野口賢清)