函館市本町の映画館シネマアイリス(菅原和博代表)はこのほど、函館市出身の作家、故佐藤泰志さん(1949~90年)原作の映画「オーバー・フェンス」の製作を決めた佐藤文学映画化の函館三部作最終章で、前作、前々作に続き製作・企画を手掛ける菅原代表は「これまでの2作品とはまた違った函館を描きたい」と力を込める6月下旬から撮影を開始し、来年の公開を目指す
佐藤作品の映画化は、2010年に地元の有志が企画した「海炭市叙景」(熊切和嘉監督)から始まり、2作目の「そこのみにて光輝く」(14年、呉美保監督)は函館発信の市民映画として、第38回モントリオール世界映画祭をはじめとする、国内外の映画賞・祭で高い評価を得た
「オーバー・フェンス」は、佐藤さんが職業訓練校で過ごした日々の経験をもとに執筆し、芥川賞候補になった作品40歳代の男性を主人公に訓練校における人間模様を描き、「共に生きる」という普遍のテーマに向き合った大人のラブストーリーが展開する
監督は「味園ユニバース」などの作品で知られる山下敦弘さんが務め、脚本は「そこのみ?」に続き高田亮さんが手掛ける山下さんは「空っぽになってしまった男と求愛し続ける女の話であり、訓練校で生きる無職の男たちの話でもあるその瞬間を生きている人間たちの作品にしたい」と話している
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同作の一般キャストを募集するオーディションを30、31日の両日、市内で行う対象は4歳から70歳ぐらいまでの男女書類選考のうえ、山下監督らが当日審査する応募は履歴書、全身と上半身の写真、芝居経験の有無やオーディションに参加可能な時間帯、意気込みを添えて、〒041・0011、函館市本町22の11グリーンエステート1階シネマアイリス「オーバー・フェンス」オーディション係まで25日必着問い合わせはEメール(terao@cinemairis.com)、同館(電話0138・31・6761)(平尾美陽子)