臥牛山4月13日・食卓塩など値上げ
塩にはミネラルが含まれ、入浴後の体温を維持し、湯ざめもしにくく、代謝を活発にする。ひとつかみ浴槽に入れた塩湯は最高。かのクレオパトラや楊貴妃も塩湯を好み、美を保っていたという▼でも、塩分を摂り過ぎると血圧が高くなり、動脈硬化になり、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血など命に関わる病気が発症する。生命の維持に重要な役割を担っているのに、減塩、減塩と叫ばれがち▼その物価安定を支えてきた「食卓塩」が新年度のトップを切って値上げされた。24年ぶりとはいえ上げ幅が35%と聞くと、しょっぱ過ぎる。値上げは国民年金、トマト調味料、納豆、ウイスキーなども▼かつて津軽海峡を「しょっぱい川」と呼び、縄文人は丸木舟で、江戸時代は北前船で往来。北海道からはコンブなど魚介類、本州からは塩や米などを運んでいた。しょっぱい川は“北海道の生活”に欠かせなかった▼塩梅(あんばい)は塩と梅(酸味)のバランスをとって「物事をほどよく処理する」「体調がいい」こと。マイナス金利でタンス預金が増え、値上げの直撃で景気上向きの春にはほど遠い。北海道弁では「あんばいわるい」のだ。せめて、ちょっと塩っぱいフキノトウの天ぷらが食べたい。(M)