臥牛山4月12日・揺れる10%
来年4月の消費税率10%への引き上げが、ここへきて揺らぎ始めている。というより、見送りに傾いているという見方が多数派なよう。その裏に、消費者のマインドが冷えた状態が続く現実が重くのしかかる▼10%への引き上げは当初、昨年10月だったが、取り巻く経済状況などから1年半、延期して今に。そして、議論を呼んだ食料品など10%時の軽減税率適用を決め、実施準備が具体的に進められている。だが、景気がどうも芳しくない▼政府、日銀は強気の読みを崩していないが、各種経済指標が教える実態は微妙なところ。消費者の景気認識も厳しいままで、変わってはいない。読売新聞が今月初めに行った世論調査も、そう物語っている▼「景気の回復を実感していない」人は、ほぼ4人のうち3人の77%。この認識は財布のひもが依然としてきついことを示唆していると言っても過言ではない。連動するかのように10%への引き上げについても「(再)延期すべき」が65%を占めている▼世界経済も変動が激しく、不透明感が増している。混沌(こんとん)としてきた政局に消費増税問題も絡まろうともしている。どう政治判断が下されるのか、生活に直結する問題だけに、しばらく国会の動きから目が離せない。(A)