臥牛山3月27日・期待から現実へ
北海道新幹線が開業した。函館、北斗、木古内、知内では、朝早くから沿線に地域住民らが並び、車両に手を振って出迎えた。すべてが北海道新幹線の「H5系」でなかったのは残念▼どこもかも、笑顔であふれる一日だった。歓迎に出向いた人、乗客、イベントに参加した人…、子どもから大人まで、道民も観光客も、東北の沿線地域までも、新しい歴史が始まった一日を祝った▼その笑顔にあるのは「期待」。期待とは「何かが実現する『だろう』」「当てにして待つこと」の意味。「期待は実現に勝る」のことわざは、現実より期待の方が楽しいこと。その通りなら、新幹線は開業のお祝いだけで、人々の関心は終わってしまう▼きょうからは北海道新幹線が道南の経済活性化の起爆剤に「なるだろう」と当てにして待ってはいけない。財界関係者ばかりでなく「しなければならない」という強い気持ちを持つことが必要。まずは乗ってみて、快適な列車から始まる地元・道南の旅の良さを広めることも大切だ▼いうまでもないが、JR北海道が「だろう」はであってはならないのは、新幹線の安全運転の期待に応えること。道民の期待を背負って走る列車に事故があっては、夢も希望もなくなる。(R)