臥牛山3月13日・摩周丸の改装を
1988年3月13日、本州と北海道を結ぶ大動脈だった青函連絡船は80年の歴史を閉じた。それから28年、イベントや絵本出版など連絡船が脚光を浴びている。市青函連絡船記念館摩周丸にも国内外の観光客が詰め掛けている▼理由は2つ。まずはテレビ番組。昨年6月、NHKの「ブラタモリ」でタモリが訪れたことで話題になった。ただ、テレビに映った車両甲板は一般には非公開で、残念がる人もいるという▼そして北海道新幹線開業が近いこと。「海の新幹線」と呼ばれた摩周丸は、北海道から石炭など大量に本州へ輸送し、人の往来も多く、函館駅前はにぎわった。当時を懐かしむ人ばかりでなく、新幹線新時代が始まることで、これまでの歴史を学ぼうとする人もいるようだ▼摩周丸は2008年に経済産業省「近代化産業遺産」、11年に日本機械学会「機械遺産」に認定されている。せっかく当時の姿が残っているのに、一部は安全上の理由で見られないのは残念だ▼貨物列車がどのように連絡船に積み込まれていたのかを知ることで、青函間の貨物輸送について考えるきっかけになるはず。新幹線開業効果で来館者は増えるだろう。同館の改装が一考ではなかろうか。(R)