臥牛山1月19日・漢字一文字
世相を、自分の思いを表現する術は多々あるが、近年よく聞くようになったのが漢字一文字。先日も取材に応じたプロ野球日本ハムの大谷選手は「超」、スキー女子ジャンプの高梨選手は「収」と答えている▼その火付け役は、他でもない日本漢字能力検定協会。漢字に関心をもってもらいたいと、全国から応募してもらう形で行っている「今年の漢字」だが、毎年12月に京都・清水寺で発表される光景でも知られる▼1995年に始まり、昨年は「安」だったが、20年間をさかのぼると明暗それぞれ。初年は「震」…阪神淡路大震災に見舞われた年である。さらに「倒」(97年)「毒」(98年)「災」(2004年)もあれば…▼逆に「愛」(05年)「新」(09年)「絆」(11年)のように明るいイメージの字の年も。実は二度選ばれた字が一つだけある。それは「金」。両年ともオリンピックが開かれた2000年と12年のこと▼明るい字が選ばれる年が続いてほしい、そう願う気持ちはみな一緒。同協会が20年を記念して行った小学生が選ぶ未来の漢字も、上から順に「楽」「明」「夢」「優」「幸」「光」だったそう。実現できるかどうか、その鍵は大人に託されている。(A)