臥牛山1月7日・正月三が日営業の是非
子どもたちにとって、正月の最大のイベントが「お年玉」であることは昔も今も変わりはない。筆者がもらう立場だった時代は、せっかく財布が潤っても、少なくとも三が日の間はデパートも商店もシャッターが下りたままのため、目当ての品を手に入れることができずにうずうずした日を過ごしたものだった▼ところが最近では、1、2日に初売りを行う店舗も珍しくない。元日から営業していた筆者の実家近くの大型ショッピングモールでは、早速大きなおもちゃの箱を抱え笑顔の子どもたちの姿が▼それまで暗黙の了解だった三が日間の休業は、バブル崩壊後の1990年代半ばから崩れ始めた。実際、正月で暇を持て余していた人々で盛況となったことから、多くの店が追随することに▼これに逆行するかのように、伊勢丹新宿店では例年2日だった初売りを、今年から3日に繰り下げた。「従業員にも日本人らしく正月休みを味わってもらいたい」と同店。この英断には一般の人々からも支持の声が▼24時間365日、好きなものが簡単に手に入る時代。せめて正月の数日間だけでも不便な思いを味わうことが、満ち足りた生活を過ごせる幸せの再確認につながるのかもしれない。(U)