函館市電の超低床電車「らっくる号」(9604号車)に、市内の水産品加工・卸の「道水」(高野元宏社長)の広告が掲出された車両が13日、お目見えした。同社の創業75周年を記念したもので、全体がレンガのような赤茶色で色味を抑えつつ、社名などは黄色でアクセントを加え、函館の景観に溶け込むようレトロなデザインに仕上げた。高野社長は「シンプルで街並みにもなじむと思う。多くの人に見てもらたい」と期待する。
らっくる号は現在4両あり、今年は同社を含めて2両で広告が掲出されている。市企業局によると市電の広告車両は順番待ちになる人気で、市電のデザインガイドラインでは景観に配慮したものを推奨し、今回も沿った内容となった。
デザインは市内の広告業「文字堂」が担当。全体が赤茶色だが、社名やラインは鮮やかな黄色で目を引く。高野社長も「思い通りに仕上がった」と満足そうだ。同日午後から通常運行が始まった。
同局交通部では現在、景観に配慮したデザインへの統一に向けてガイドラインを見直している。同部は「函館らしさを感じられ、さらに広告性の高いものを増やせれば」としている。(小杉貴洋)