道南いさりび鉄道(函館、川越英雄社長)は、12日から「夜景列車2020」を運行する。25日までの計9日間の運行で、今年10月25日に開業90周年を迎えた風光明媚(めいび)な区間「上磯―木古内間」で実施。函館市街の「横夜景」や、津軽海峡に浮かぶいさり火など夜の観光が楽しめる。普通運賃で乗車できる。
16年の開業から毎年行っており、今年で5年目。今年は新型コロナウイルスの影響で運行が危ぶまれたが、沿線住民から「夜景列車を楽しみにしている」という声が寄せられ、期間を短縮し、列車も上り1本に絞って実施を決めた。例年だと11月下旬からスタートし、期間中は上下2本を運行していた。
今年は函館午後4時24分発の上り1本で、2両編成で運転。上磯を同4時48分出発後、木古内に同5時28分到着前の間で1両目(先頭車)は通常通りの車内電灯を行い、2両目(後列車)が減灯車両となる。車内は終夜灯のみ付けるため、真っ暗になるわけではない。上磯―茂辺地間でスタッフが「夜景列車乗車記念カード」を手渡す。
運行日は12、13、18、20~25日。同社企画営業課の春井満広さんは「横夜景やいさり火、船明かりなどを楽しんでほしい。沿線の皆さまにほっと一息、静かに楽しむ小さな旅を提供したい」とPRする。
運行日には、札苅町内会と協力し、札苅駅前のイチョウ、ツバキの木2本をライトアップするほか、駅舎のイルミネーションも施し、クリスマスムードを高める。
予約不要、全車自由席。「いさりび1日きっぷ」(大人700円、子ども350円)を利用すると、お得だという。なお、コロナ対策として利用者にマスクの着用、会話を控える、飲食は最小限にすることを求める。体調が悪い場合は利用しないよう呼び掛ける。コロナの感染状況によって、企画を変更・中止する場合がある。
問い合わせは、同社(0138・83・1977)へ。(山崎大和)