3月26日の北海道新幹線開業から初めて迎える大型連休を前に、函館市内では湯の川温泉を中心に、改装中の宿泊施設が続々と新装開業している。いずれのホテルも連休期間中はほぼ満室となっており、好調な滑り出しを見せている。
道内でホテルや飲食事業を展開するノースグループ(札幌)は、買収した丸仙旅館をリニューアルし、30日に「笑(えみ)函館屋」(湯川町3)をオープンする。既存施設の改装と増築を行い、ツインルームを主体とした26室を用意。開放的なロビーでは無料でワインやソフトクリームなどを提供する。
4月上旬の受け付け開始後予約が順調に入り、連休中はほぼ全ての部屋が埋まったという。鈴村保司社長は「小さいホテルではあるが調度品などにこだわった。リピーターの獲得を目指したい」と話す。
道内ホテル大手の野口観光(登別)は25日に「HAKODATE海峡(うみ)の風」(湯川町1)を開業した。12億円を投じて「湯元啄木亭」の東館をリニューアル、部屋数を100室から56室に絞り、露天風呂付きや広めの和洋室など、準高級タイプの客室に切り替えた。同社は「タイプの違う3つのホテルが函館にそろった。おもてなしを充実させたい」とする。
伊東園ホテルズ(東京)は26日、湯の川観光ホテル祥苑(湯川町2)の新館の営業を始めた。男子社員寮を客室に転換した17室を含む合計221室は、連休期間中満室だという。
一方、地元資本では、函館元町ホテル(大町、遠藤浩司社長)が買収したホテル函館山(元町19)が26日から営業を再開。国内外の宿泊需要取り込みを狙う。
ホテルテトラ(梁川町、三浦孝司社長)が運営する函館パークホテル(新川町29)の新たな宿泊棟(30室)も同日に開業。同ホテルの担当者は「中国や台湾を中心に海外からの予約も順調に伸びている」としている。(山田大輔)