函館観光を盛り上げようと、市民有志でつくる「函館おもてなしプロジェクト」(鎌鹿玄介代表)は、日本語、英語、中国語の3言語に対応する格安のホームページ(HP)制作事業に乗り出した。香港のサーバーを利用することで、情報規制のある中国本土での閲覧を可能にする。
同プロジェクトは2015年に発足。メンバーは飲食業や不動産業、IT業などさまざまで、動画サイトでの観光地の紹介や台湾からブロガーを招聘して函館観光の魅力を発信するなど、地域で増加傾向にある外国人観光客のおもてなし向上や誘客に取り組んでいる。
中国には、国家が政策として運用しているインターネット情報検閲システム「金盾(きんじゅん)」があり、日本を含む外国の情報は閲覧が難しい状況にある。さらに中国でシェア90%の検索エンジン「百度(バイドゥ)」の仕様に合わせる必要もある。
同プロジェクトでは、中国本土とは法体系が異なり、通信の自由が保障されている特別行政区の香港にサーバーをレンタル契約し、百度に対応したHPを新たに制作して公開することで中国本土でも見られるようにする。
HPの制作や管理は、提携するIT企業「ウィンベストレックス」(函館市昭和2)に委託。国内用の日本語ページ(6ページ)に加え、翻訳した英語版と中国語版の3種類を制作。基本初期費用が18万円、毎月管理費が1万4500円、年間更新料が2万5000円(いずれも税別)。同プロジェクトによると相場の半額以下という。
同プロジェクトの高木浩運さんは「インターネット上の言語は、英語と中国語で全体の44・5%を占めている。地域の市場が縮小する中で外国人観光客の取り込みを選択肢の一つとして考えてもらいたい」と話している。
第1弾の募集期間は30日から8月20日まで。サーバーの契約容量から20社程度で、12月1日の公開を予定している。問い合わせは同プロジェクト事務局(0138・56・8500)へ。(金子真人)