【福島】福島町まちづくり工房(平野松寿代表理事)は15日から、町内で駆除されたエゾシカのモモ肉でつくった犬用の特別なおやつ「カムカムシカジカ。シカ肉の誘惑」の販売を始めた。同法人のエゾシカ活用プロジェクトの第2弾。狩猟から販売までを道南で行うエゾシカのペットフードの販売は道南初の試みとなる。
道内では近年、エゾシカの駆除数が増え、農作物や樹木の食害や交通事故ななど被害が拡大し、福島町でも年間約60頭が駆除されているが、駆除後の利活用が課題となっていた。そこで同法人が中心となり、町、猟師、工場が連携し、エゾシカを利活用することで持続可能な開発のための目標(SDGs)の「生体系の保護と持続可能な利用の推進」に取り組む。
町千軒のハンターで北海道猟友会松前支部長の道下志郎さんは「副産物として発生する肉や骨などを有効活用する道筋がついた。近隣町のハンターの技術の伝承につながれば」と話し、将来を見据える。道下さんらハンター2人が月に十数頭分の肉を製造元の北海ケミカル(北斗市)に納品する。同社の前崎大樹総括部長は「地産地消の取り組みが道南地域で拡大してほしい」と期待を込めた。
商品は、一口タイプと細切りタイプの2種類で、価格はいずれも30グラムで858円(税込)。販売先は、道の駅「横綱の里ふくしま」や町のふるさと納税サイト、近日中に開設する岩部クルーズのウェブストアで取り扱うほか、函館市内のペットショップなど順次拡大する。
同法人ではこのほか、函館の飲食店と共同開発したアワビカレー、青の洞窟サイダーの新味など新商品を、春から運航する「岩部クルーズ」に合わせて展開する。(佐藤由紀彦)