新型コロナウイルスの影響などから昨年夏に予定していた開業が延期となっていた「東急ステイ函館朝市灯の湯」(大手町)と「スマイルホテルプレミアム函館五稜郭」(本町)の2ホテルが4月、開業する。感染状況や「Go Toトラベル」の動向など先行きは不明だが、函館の観光客受け入れ強化につながることから、ゴールデンウイークに向け集客への期待が高まる。
「東急ステイ―」は4月26日オープン予定。全国で宿泊やゴルフ、リゾート事業などを展開している東急リゾーツ&ステイ(東京)が運営する。客室はツインを中心に175室あり、全室に洗濯乾燥機を設置。一部の部屋にはミニキッチンも完備するなど、長期滞在に便利。地上18階建ての最上階には、函館湾を一望できる露天風呂付き温泉大浴場もあり、目の前の函館朝市と連携した朝食の提供など、滞在価値の向上に力を入れている。
同社ステイ企画統括部は「コロナ禍は収束が見通せない状況だが、これまでに培ってきた感染防止対策のノウハウを生かし、段階的にでも旅行が可能となった場合に備え、ゴールデンウイーク前の開業を目指す」としている。函館朝市協同組合連合会の松田悌一事務局長は「ホテル開業により一人でも多くの観光客が朝市に足を運んでもらうきっかけになると大きく期待している」と話す。
「スマイルホテル―」は4月1日の開業を予定。スマイルホテルチェーンを全国で展開するホスピタリティオペレーションズ(東京)が運営。地上9階建て190室(ダブル134室、ツイン47室、トリプルほか9室)の客室を持つ。付近には丸井今井函館店やシエスタハコダテなどの商業施設のほか、五稜郭タワーや五稜郭公園などの観光地があるほか、函館市電にもアクセスしやすい立地が強み。同社は「観光とビジネスニーズともに利便性の高い立地を生かしたい」としている。(野口賢清)