【北斗】澤田米穀店(北斗市中央2、澤田直樹社長)は、道南ブランド米「ふっくりんこ」の白米を使った新商品として乳幼児向けポン菓子3種類を開発した。塩分と糖分を従来品に比べ半分以下に抑え、食品中に含まれる放射性物質の基準を国の基準より厳格化。油を使わない特殊な加工法で味付けしており、1歳ごろから食べられるコメ加工品として人気を呼んでいる。
同店は、JGAP認証を取得した知内町の帰山農園(帰山和敏さん経営)と共同で、2019年4月にポン菓子「ふっくりんこJAPON(じゃぽん)」を開発。白米で作った「プレーン」、玄米を使った「海鮮いわし&ほっき昆布だしベース」「黒糖きなこ&ほっき昆布だしベース」の3種類で、新たなコメの食べ方を提案してきた。
しかし、玄米を食べられるのは丈夫な胃腸が整う3歳以上が目安とされ、プレーン味では物足りず、味付けを食べたいという声も上がっていた。
そこで、同店は白米を使った海鮮いわし、黒糖きなこを新たに開発し、プレーンも包材を新しくした。いずれも油、化学調味料、添加物は使っていない。放射性物質が一般食品より低い基準値が適用される「乳児用規格適用食品」(国の基準1キロ当たり50ベクレル)に認定され、自社基準として1ベクレルに設定している。
3種類は、昨年11月中旬に発売。同店をはじめ、七飯町の道の駅「なないろ・ななえ」に隣接する男爵ラウンジ、函館市元町の八島商店、同市美原4のぱん屋wakkaで扱い、好評を得ている。首都圏の自然食品店でも、かなりの量が売れているという。
同店専務の澤田導俊さん(40)は「子どもに安心したものを食べさせたいという要望に応えた。胆振東部地震の際に、乳幼児の食事に困ったという声もヒントになった。子ども用品を扱うメーカーとタッグを組んで新しい味を開発中」と意欲を見せる。今月にはベトナムで開かれる商談会に参加し、将来有望な同国のベビー用品市場を調査する。
同店はポン菓子専用の工場を中野通1に建て、菓子製造業に乗り出した。開発にあたり、道経済産業局の「農商工等連携支援事業」の認定を受け、道総研食品加工研究センター(江別市)から技術支援を受けた。
新商品の価格は、海鮮いわしと黒糖きなこが205円、プレーンが190円(いずれも税別)。問い合わせは同店(0138・73・2210)へ。(山崎大和)