7日の七夕で、子どもが近所の家や店を回って菓子やろうそくをもらう函館の風習「ろうそくもらい」に向け、市内のスーパーや玩具店では特設コーナーを設けている。各店によると、少子化などの影響で需要は減少傾向にあるが、地域に伝わる文化を守ろうと盛り上げに躍起になっている。
スーパー魚長八幡通り店(亀田本町)は6月初旬に七夕用の菓子を並べた特設コーナーを設置。1番人気は定番の駄菓子「うまい棒」(30本入、税別228円)で5種類の味を用意している。また、4日からは玄関先に飾る笹竹(同128円)の販売も始めた。
木村好孝店長によると、近年は少子化の影響で購入客は減少傾向にある一方、数種類の菓子を組み合わせて子どもに配る人も多く、一人当たりの単価は上がっているという。
千代台町の玩具店「バラエティショップあさひや」では、子どもたちが楽しめるくじのセットを取りそろえる。おもちゃや文房具が当たる3000円~4000円台が人気で、予算に応じた手作りのひもくじセットの注文も受け付けている。このほか、当日に玄関に飾る笹や装飾なども取り扱っている。
大坂昭夫店主は「昔は北海道の他の地域でも子どもがお菓子をもらって回る風習があったというが、今は函館を含む一部だけになっている。昔ながらの地域の文化として貴重なので大切にしてもらいたい」と呼び掛けている。
七夕や花火大会に向けて子ども用浴衣も動き始めた。テーオーデパート(梁川町)3階の呉服専門店「きものサロンつねかわ」では、綿100%の本格的な子ども用浴衣約100着をそろえる。
価格帯は5000円~1万2000円で、現在開催中の「テーオーゆかたまつり」のコーナーには高学年用の半額セール品も用意している。担当者は「子ども用は着付けが簡単なので、日本古来の浴衣で夏を楽しんでもらいたい」と話している。(金子真人、飯尾遼太)