函館市と産業、医療機器用の制御システム設計開発を手掛ける「アサヒ」(本社・東京都江東区、宮野学社長)は7日、市内桔梗町の工業用分譲地「函館テクノパーク」の貸付契約を締結した。同社は北東北・北海道エリアの営業、製造拠点として新工場を建設。7月の完成を予定している。
同社は、2014年にテクノパークに隣接する市産業支援センターインキュベータルームに入居。業務拡大に伴い、市は東日本大震災後に創設した制度を適用し、テクノパーク内の1区画3276平方メートルを10年間無償で貸し付けする。
同社は鉄骨平屋425平方メートルの工場を建設。北海道新幹線開業もあり、道内と北東北の拠点と位置付ける。引き続き、市内半導体製造装置メーカー向けの受注品などの製造、本州での一部製品の移管を予定。現在、函館の従業員は7人だが、新工場稼働後の3年間で20人程度の雇用増加を見込む。
契約締結式で工藤寿樹市長は「北海道新幹線開業で函館に注目が集まる中で契約締結は大変うれしい。函館での事業の成功と発展を願っています」とあいさつ。宮野社長は「当社の主幹たる工場となるよう努力したい。新幹線開業は営業活動の面で便利になる」とし、「高専や未来大卒業生ら、函館でも開発を担える人材を確保したい」と話した。
市産業支援センターや道立工業技術センターに隣接するテクノパークへの新規進出に向けた契約成立は13年11月以来。分譲地は残り5区画5262平方メートルとなった。(今井正一)