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25日からアルバコア探索「戦時中の事実、技術で明らかに」

 恵山岬沖で1944(昭和19)年11月7日、旧日本軍が敷設した機雷に触れて沈没した米海軍潜水艦「アルバコア」の海中探索プロジェクトが、函館市元村町の椴法華港を拠点に25日早朝から始まる。一般社団法人ラ・プロンジェ深海工学会(長崎県五島市)の浦環代表理事(73)は「(潜水艦の)形がどれだけ残っているか分からないが、(沈没地点は)すぐに見つかるんじゃないかと期待している」と話している。
 アルバコアの沈没地点は旧海軍の記録などから恵山岬の東側約7キロと推定されている。探索は25日早朝から、推定地点の2キロ四方の範囲をマルチビームソナー(MBES)を積んだ漁船2隻で航行し、海底の地形を計測。深さは250メートル程度といい、艦影とみられる海底の地形とは異なる部分を探す。
 位置を特定後、26日には遠隔操縦式潜水機(ROV)を投入して撮影。今回使用予定の機材は小型で潮の流れが速い場所では操縦が難しいといい、場所が特定できれば8月下旬にさらに安定性のある大型のROVの投入も計画している。
 MBESやROVを使用した海中探索の技術は近年、精度が格段に進化している分野。浦代表理事は「(戦時中の)事実を掘り起こし、忘れ去られた人たちのことを思い出させることができる技術が今はあることも知ってほしい」と話している。
 探索の状況は25日午前5時からインターネット動画「ニコニコ生放送」(https://live.nicovideo.jp/watch/lv326919568)で中継する。(今井正一)

 日本の艦船10~13隻沈める 1944年に撃沈

 米海軍が公表している艦歴などによれば、アルバコアは太平洋戦争中の1942年6月に就役し、44年11月に沈没するまで11回の哨戒任務に就いた。記録にもよるが10~13隻の日本の艦船を沈め、少なくとも11隻の状況が明らかになっている。空母「大鳳」や軽巡洋艦「天龍」、駆逐艦「大潮」など戦闘艦4隻と輸送船などこのうちの10隻で、非戦闘員も含めて計1120人以上が亡くなった(死者数は旧海軍の戦闘詳報、戦没した船と海員の資料館=神戸市=ホームページなどによる合計)。
 最大の戦果となった「大鳳」は44年6月19日のマリアナ沖海戦でアルバコアの魚雷1発を受け、その約6時間後に艦内に漏洩した燃料に引火し、大爆発を起こし沈没した。京都府舞鶴市の海軍墓地には大鳳の戦没者767人の慰霊碑が建つ。函館市史統計資料編によれば、函館出身者1人が同艦で戦死している。
 同海戦後の同8月以降、アルバコアは日本近海での任務に就き、同10月下旬に三陸沖に向かった後、消息を絶った。当時30歳だった艦長以下乗組員85人の大半が20代前半の若者で、艦と共に行方不明のままだ。
 旧海軍大湊防備隊(青森県)がまとめた報告書「敵潜水艦撃沈確認詳報第一號」によれば、同11月7日に、恵山岬沖で水中爆発音と同時に約10メートルの水柱が上がるのが確認されたほか、浮遊物の状況から水中に敷設した機雷で潜水艦を撃沈したと判断した。
 米潜水艦による海上輸送路への攻撃は開戦翌年の42年には津軽海峡東側の海域でも起こり、恵山岬周辺でもハリバット、トートグ、テンチといった潜水艦によって複数の貨物船が沈められ、狙いをそれた魚雷が沿岸部に到達したこともあった。
 一方、米海軍は太平洋戦争中にアルバコアを含む計52隻の潜水艦を喪失した。近年、海中探索の技術が向上したこともあり、11隻の所在が判明。2019年には沖縄本島南西沖で米の民間プロジェクト「ロスト52プロジェクト」により、潜水艦「グレイバック」の発見があった。(今井正一)










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